Fate/Zero

アニメ開始前に改めて読み直した感想を記述します。

これは死に様を愛でる物語。

以下は壮絶にネタバレを含みます。



この物語は最終的には衛宮切継と言峰綺礼の戦いへと収束して行きます。
そしてその他の登場人物は例外なく消え行く運命にあります。
その死に様は有象無象まで含めて、散々たるものから、誇りを掛けた戦いの末に至るものまで様々です。
死に方も銃殺刺殺殴殺轢殺自殺他殺病死突然死自滅消滅裏切りの死覚悟の死・・・
死に様は色様々、怨嗟に塗れた死もあれば、覚悟の上に死地に赴くものまで。
大元の「Fate/stay night」がありながら虚淵玄の紡いだ死に様の物語。
その死に様を開闢する・・・


・ライダー(征服王イスカンダル)/ウェイバー・ヴェルベット
最期の時、ライダーはウェイバーに臣下に加わる気はないかと尋ねる。
ウェイバーは喜んでそれを受け入れる、。
そして、アーチャーに向かっていく際、ウェイバーにこう言い残す。

「生きろ、ウェイバー。すべてを見届け、そして生き存(ながら)えて語るのだ。
貴様の王の在り方を。このイスカンダルの疾走を」

ウェイバーはその最期の命令を守り生き存(ながら)える。
それは最初で最期の臣下としての仕事。
鮮やかに散った征服王の最後の臣下として守るべき矜持。


・バーサーカー(円卓の騎士サー・ランスロット)
過去の怨嗟によってバーサーカーの位に堕ちた英雄。
円卓の騎士。アーサー王の一番の騎士。
その愛はアーサー王の国を最終的には滅ぼす。
消滅のとき、マスターの魔力を使い果たしたバーサーカーは刹那正気を取り戻す。

「王の腕に抱かれて、王に看取られながら逝くなど・・・・・・はは、この私が、まるで・・・
・・・忠節の騎士だったかのようではありませぬか・・・・・・」

セイバーは改めて誓う過去を変えるのだと・・・


・久宇舞弥
切継があくまで戦闘用の道具/機械として使役した少女。
切継が妻よりも永いときを過ごした女性。

「・・・・・・だめだよ。ないたら・・・・・・」
「それは・・・・・・おくさんのために、とっておいて。・・・・・・ここでないたら、だめ・・・
・・・あなたはよわいから。いまはまだ・・・・・・こわれちゃ、だめ・・・・・・」
「けさ、やっと・・・・・・・むかしのままの、キリツグに、なったんだから・・・・・・こんなことで、
ゆれたら、だめ・・・」

それは感情を表すことが無かった最初で最後の感情の発露。
そして、切継は最後の戦いへと赴く。


・間桐雁夜/間桐桜
バーサーカーのマスター雁夜はその魔力を使い果たした故に僅かながら生き残ってしまった。
夢想する、その死に瀕した蒙昧な人格は桜を救い、葵へ届け、凛と暮らす未来を・・・
実態はどうにかたどり着いた蟲蔵で蟲に食われていく・・・
桜にその醜態を見せ付けながら。
桜は理解する、臓硯に逆らえばこの男のようになるのだと。
始めから死を内包したマスターの更に望まない死に様を晒す。


4つの死に様を紹介したがこの物語の死に様の半分・・・いや4分の1も紹介していない。
更に様々な死に様を提示する。
Fate/stay nightへとつながる物語。
Fate/Zeroここに開幕。
[PR]

by yukrid71 | 2011-09-25 14:48 | 小説