悲鳴伝 西尾維新

悲鳴伝 西尾維新


作者あとがきによると原稿用紙1000枚分の分量だそうです。
著者最厚小説の感想を以下。














胡散臭い&血生臭い。

これが最初の感想。
胡散臭さは現実離れした登場人物。
血生臭さはこれでもかという惨殺シーン。


映像化は絶対ないかなというのも素直な感想。


少女不十分のときにも感じたのだけど、
単発作品でも続編を書ける伏線やなんかを張り巡らすのは、
西尾さんの悪い癖・・・いや、習性なのかな。

ここから下は内容に踏み込みます。


主人公 空々空(そらからくう)。
その名の通り空っぽな少年。
物語の中で一番異質な人物。
野球部でショートをやっていたという記述があるし、
軟禁生活になってからはひたすら筋トレに励むわけだが、
とても運動が得意なようには文脈から思えない人物。
既読の西尾さんの作品からすると、
戯言遣いシリーズのボク(いーちゃん)と印象がかぶる。
紹介文やなんかを見ると全然違うのだが。

重ねて言う、この主人公は空っぽだ。
ある意味、ゲームの主人公のようだ。
しかも、プレイヤー視点で自分からしゃべらないタイプ。
読者の感情移入を許さない主人公だ。
前言を翻すことになるかもしれないが、
戯言遣いより性質が悪い。


その他の人間には、胡散臭さはあるが、
意思が見えるし、趣味趣向もある。


一番、感情移入できるのはヒロイン格にある剣藤犬个(けんどうけんか)。
なんか、男の子みたいな名前だが女の子だ。
冒頭で空の家族を惨殺してみせる(魅せる)。
それでも、なお、一番感情移入しやすいキャラ。
空に感情が、一般的に言うところの感情が、生まれたのだとしたら、
それは多分彼女の所為・・・おかげだ。
なぜ、ヒロインと言い切らず、“格”という一歩引いた表現にしてるかは、
実際に読んで確認して欲しい。


さて、冒頭でも述べたが、この作品には、
蒔くだけ蒔いて回収していない
伏線が、たくさん残っている。

そもそも、悪役(ラスボス)が倒されていない。
要は内輪揉めの解決、それしか書かれていない。
いや、厳密には内輪揉め自体も完全には解決していない。

不明室と左右左危(ひだりうさぎ)。
この伏線はどこで回収するのか?

長々と書いてきたけど、
結局、これ続編あるよね?
解決してないよね?
と言いたい。
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by yukrid71 | 2012-05-06 20:14 | 小説