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ルー=ガルー2 京極夏彦

ルー=ガルー2
インクブス×スクブス
相容れぬ夢魔
京極夏彦
(分冊文庫版)

あ、インクブス~夢魔は副題です。
正月しょっぱな3連休風邪引いて寝てたので読みました。

以下、ネタバレ含む感想です。






ネタバレ大丈夫かい?









インクブス×スクブスは他の創作作品で聞き覚えのある単語に置き換えるとインキュバス&サッキュバス。
男性夢魔と女性夢魔ということになります。

京極さんは多人数の主人公を捌くのがうまいなぁと思います。
一番京極さんらしいキャラは雛子ということになりますかね。
あれで、清明紋でもしょってりゃ立派な京極堂の跡取りだと思います(違

若干、歩未と美緒がキラーキャラ過ぎるきらいもありますがこれも最後の大団円に向かうために必要といえば必要。
律子が冒頭から組み立ててるバイク(作中の表現を借りるなら縦列二輪車)が最後の最後で大活躍というのはお約束。
キラーキャラの歩未と美緒の出番を少なめに前作の進行役だった葉月の出番も少なめ。
基本は律子と元刑事:橡(くぬぎ)の視点を交互に入れ替えてお話が進みます。
橡と麗猫のコンビで行動してるところが面白く感じました。
橡が現役のときより冴えてたしw

最後の最後で小山田がフラグを蒔いて終わったので今後も続きがいくらでも作れそうですwww

最大の見所はやっぱりビルのエントランスで行われる最後の戦い。
文章量は多いのですが展開はスピーディで2時間程度の映像化も可能でしょう。

さて、ここからは更に核心のネタバレ。

テーマは前作とほぼ同じ。
前作では不老長寿そのものでしたが今回は不老長寿は建前になってます。
今回はDNAマップのほうが主テーマかなぁ。
犯人の主目的は正直気持ちの悪いものでした。
言葉にするのも躊躇われます。
主犯の上にいた親玉が姿を現さずにあっさり裏で捕まってたってのは若干がっかりかも。

10倍人間はどっかで見たネタな気がしますが思い出せません。
10倍脳を使うので寿命は結局短くなるという落ちも同じく見たネタだという気がします。
笑うせぇるすまんかアウターゾーンあたりかなぁ。
そういえば、脳の寿命を脳細胞の総数÷一年に死滅する脳細胞の数で算出した場合、150年になるという話を昔聞いた気がします。
これは予備校のときの先生だった気がするなぁ。
げんこつ一発頭に食らわすと2万個脳細胞死ぬそうです。ほんとかどうかは知りませんw
この計算でいくと20のときにインクブスを投与されたとすれば30そこそこで死んでしまうことになります。
怖い話です。

京極作品のアニメ化というと私が見たものは魍魎の匣だけなのですがこのルー=ガルーも前作はアニメ映画化しています。
2を読んでみて改めて見てみたくなりました。
見たらまた感想を書くことにします。
豆腐小僧はどうだったのかなぁ~?

なかなか楽しかったです。
ルー=ガルー2単独でも楽しめる作りになっていますが1作目の合わせてどうぞ。

by yukrid71 | 2012-01-10 22:14 | 小説